大学受験フォーラムAIMの代表者の谷口裕亮です。
10月も後半に入ってきました。
大学入試も近いので毎年この時期から
いわば臨戦態勢に入るわけですが、
今年は10月上旬から
臨戦態勢に入っているので
すでに忙しさはピークに達しています。
高3の受験指導も もちろん忙しいのですが、
この時期から高2のモチベーションを上げていくという
ミッションも同時並行で行なっていきます。
高2も1年後には受験直前期に入っているわけで、
現状の成績にもよりますが
ほとんどの高2生にとっては
これからガツガツと受験勉強をやり始めても
第一志望大学への合格はギリギリになってしまいます。
でもね、
ギリギリであればまだ良い方で、
場合によっては志望校の下方修正を
考えざるを得ない時期にも入ってくるわけです。
AIMは幸い、
そんなに塾生数の多い塾ではないので、
一人一人の塾生の志望大学はもちろん、
現状の成績も把握しやすく、
指導はやりやすいのですが、
把握してしまっているがための焦りもハンパないものがあります。
AIMでだけでも
27年間も大学受験指導をしているわけで、
多くのデータが私の頭の中には蓄積されています。
例えばA大学を志望している高2の塾生がいたとして、
高2時点の現状の成績から考えると
A大学に合格するには
これから指示どおりに受験勉強をしてもらったとしても
2回受験して1回合格できるっていう位置にいるとします。
私がそう判断しているということですね。
その高2塾生に、
それを面談を通じて話したりするわけですが、
本人は初めての大学受験なわけですから
なかなか切迫感を持って
話を聞いてくれないわけです。
で、
せっかく面談しても、
『でも、何とかなるでしょ』
という思いしか形成できなかったり、
『先輩は高3の夏から頑張ってA大学に合格したって言ってる』
という、都合の良い情報が入っていたりして、
こちらは暖簾に腕押しという気分になることも
けっこうあります。
私は少なくとも
偏差値の高い志望大学を目指している高校生が
『でも、何とかなるでしょ』
という気分でダラダラと勉強を続けて
結果的に合格した例を知りません。
また
高校の先輩が高3の夏から頑張ってA大学に合格していたとしても、
その先輩は高3の夏「までも」自分なりに精一杯 頑張っていて、
夏「からは」死に物狂いの勉強を始めて合格していたのかもしれない。
もちろん高2の段階で、
もっと良い成績が取れていた可能性もあります。
そう考えると、
やはり高2生の甘さがすごく気になるわけですね。
もちろん
ものすごく地頭の良い塾生の子が、
高3の夏までダラダラ過ごして、
結果的に現役で京都大学工学部に合格した例や
奈良県立医大の医学部医学科に合格した例はあります。
しかし、この子たちにしても
高2の段階で「ものすごく地頭が良い」ということは
こちらも把握しており、
ダラダラ過ごしていながらも
模試の成績は良かったり、
英検で1級の資格を取っていたりしていたわけです。
だから、
もしも第一志望が わりと高望み感の大学で、
自分はそんなに地頭が良い方ではない、
そう考えている高2の皆さんは、
やはり今から必死にやるしかないわけです。
合格の確率を上げるためには
これは必定です。
ときどき、
「いまの高校生は冷めていて、
頑張らなくても進学できる大学に照準を定めがち」とか
「いまの高校生は
少しでも上を目指そうという欲望がない」とか
「いまの高校生は
自分を高めようという気持ちが薄い」とか
そういう薄っぺらい意見を聞きます。
でも、例えば
この間入塾した高2生。
問い合わせで保護者と一緒に来たときに
こちらが志望校を聞くと
「行ける大学に行ければいいと思っています」
と言っていたのですが、
入塾後、学習面談をした時に、こちらが
「行ける大学ってどの辺を想定しているの?」
と聞くと、
「う〜ん、だいたい大阪公立大ぐらい」
と答えます。
模試の判定ではE判定が出ている大学です。
これって実は「上を目指している」ってことになりますよね。
で、そのことを伝えて、
「行ける大学を大阪公立大にするには、
今はこれだけの勉強をしなくちゃならないよ」
と言うと、本人は
「これまで通っていた塾では『勉強をしろ』とは言われましたが、
何をどう勉強するのかは全く教えてもらえませんでした」
と言います。
つまり本人は「勉強しないとヤバい」という思いは持っていたのですが、
たぶんその塾の教室長は、
この子の「行ける大学に行ければいい」という言葉を
「どこの大学でも合格できればそこに行く」という意味だととって、
それなら漠然と「勉強をしろ」って言うしかないと考えたんだと思います。
でも本人は、
「行ける大学」の最低ラインを「大阪公立大」にしている。
ここにズレがあるわけですね。
現在のE判定から「大阪公立大」に合格するためにやるべきことは
必然的に見えてきます。
その子の表面だけを捉えて、
「いまの高校生は少しでも上を目指そうという欲望がない」
って考えてしまうと、
本質を見誤るわけですね。
この子は「行ける大学」の最低ラインが
模試ではE判定しか出ていない「大阪公立大」なんですから。
これ、確実に上を目指してます。
こういうことを考えて、
高2のモチベーションを今から上げていく。
もちろん高1も。
で、仕事が増える。
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